同じようなトラウト類を疑似餌で釣る釣り方として、日本ではルアーとフライとテンカラの3種類が主に渓流釣りで行われています。
ボクはこの3種類の釣り方はすべてやったことがありますが、それぞれに良い点、悪い点、微妙な点があります。
そんなわけで、この3種類の違いをボクなりにバッサリときっていこうと思います。
主に、日本のトラウト系(ヤマメ、イワナ、ニジマス)についてです。
ルアー | フライ | テンカラ | |
フィールド | 川、湖、海などどこでも | 日本では渓流ばかりクローズアップされがちだが、実は川、湖、海なんでも。 | 基本、渓流特化の釣り。本流でもできるが飛距離的な制約が出る。湖、海はごく一部のマニアがやるだけ。 |
対象魚 | フィッシュイーターならばだいたい対象魚。もちろん、ヤマメ・イワナ・ニジマスも。虫食性にシフトした魚はちょっと難しくなる。 | フィッシュイーターに加えて、虫を食べる魚も対象。ヤマメ・イワナ・ニジマスに加えて、オイカワ・ウグイなども。 | 虫を食べる魚一般。もちろん、ヤマメ・イワナ・ニジマスも。魚食性が増した魚は難しい。 |
距離 | 重いルアーならば飛距離は出る(サーフで50~70mぐらい)。)軽いルアーの遠投は難しい。 | 重さに関係なく投げられる。シングルハンドで大体30mぐらいまで。その距離まで投げられるようになるには、それなりに練習が必要。 | リールを使わないので、達人でいいところで10mぐらい。5mまでの釣りと思ったほうが無難。 |
数釣り | フライより手返しは良いが、派手なアクションで食わせる釣りになりがちなので、スレるのも早い。 | ルアーよりも餌に見せる釣りなのでスレにくいが、手返しはルアーのほうが上。 | もともと漁師の釣りなので手返しもよく、数釣りには分がある。 |
大物釣り | 派手なアクションで一発勝負できる。ただし、スレるのも早い。 | 派手なアクションはできないのでここ一発の勝負はルアーに部があるが、極小のフライでスレた大物も狙える。 | フライと同じことができるが、リールファイトに持ち込めない分、力強い魚の取り込みに難があるため、大型魚には向かない。 |
大迫力水面の釣り | トップウォータープラグで可能。ただしある程度重さがないと投げられないため、必然的にフライよりも大きいルアーとなる。そのため、水面のユスリカなど小さな虫を食べる虫食性が進んだ魚を釣るのは難しい。 | ドライフライで簡単に可能。蚊ほどの大きさのフライからワカサギサイズのフライまである。 | 伝統的なテンカラ毛鉤は水面直下の釣りとなるが、ドライフライをつかったテンカラ釣り(通称ドラテン)で可能。 |
ライズハント | ほとんどの場合、ライズしているトラウトが食べている餌はルアーでイミテートするには小さすぎるのでライズハントはできない。できるのは北海道のハルゼミの季節ぐらいか。ライズしている魚を誘い出して釣ることは可能だが、それはライズハントではない。 | 巨大なセミから極小のボウフラまで、フライで再現できるので、ライズして餌を食べている魚をライズそのままにフライを食わせてハンティングすることが可能。フライの醍醐味の一つ | テンカラでもフライと同じようにライズハントは可能だが、伝統的なテンカラではボウフラなど極小の毛ばりは使わないので場合によってはライズのど真ん中に毛ばりを投げても反応がないなんてこともある。フライフィッシングのミッジフライをパクりましょうw |
初期コスト | ルアーマン人口は多いため、道具も多種出ていて比較的安価に入手できる。入門用なら1万円でセットアップできる。 | フライマン人口は少ない分、ルアーと比べて安価な道具は少ない。入門用でもなんだかんだ言って2万円ぐらいはかかる。上州屋やアマゾンでは一万円以下のセットも有りますが・・・ | リールがなく道具がシンプルなため安い。入門用なら5~7000円でセットアップできる。 |
ランニングコスト | ルアーは単価が高いため、根がかりしてルアーをなくすと結構財布が痛い。ラインは比較的安い。 | 毛鉤は安いので、根がかりして失ってもそんなに痛くない。 ただし、フライラインが高価なのでフライラインは傷めないように使おう。 |
フライ同様、毛鉤は安いので、根がかりして失ってもあまり財布が痛くない。加えてフライほど多種の毛鉤を必要としないのでランニングコストは最安。 |
キャスティングの習得 | 距離や正確さは置いておいて「管理釣り場で釣りになる」レベルならば5分で習得可能。 | ルアーに比べると難しいが、まぁ「管理釣り場で釣りになる」レベルならば15分~30分ぐらいの練習でいける。 | レベルラインテンカラはちょっとコツが必要。ルアー以上フライ未満の難易度かな。 |
自作の楽しみ | ルアーを自作するのはそれなりに道具も時間も必要なため、ベテランでも自作している人はほんの一部。 | 毛鉤を巻くこともフライフィッシングの一部として楽しめる。中級者以上の人は八割がた毛鉤を自分で巻いている。毛鉤を巻くのは一見難しそうに見えるが、ナイフで鉛筆を削れる程度の器用さがあれば誰にでもできる。 | フライ同様、毛鉤の自作は楽しい。ただ、使用する毛鉤の種類が少ないのでフライと比べると単調かも。 |
ダメな人 | チャラいDQNが多い。見た目通りのDQNがいるので非常に困る。 | エリート意識を持ったベテランをこじらせたジジイが多い。語り始めると止まらないジジイは本当にウザい。 | 釣りを楽しむというより漁師マインドの人が多く、魚を大切にしない人も多い。まぁ、もともと漁師の釣りですからね・・・ |
……かなりバッサリ切ってしまったかな(^^;;
ともかく、手軽さではテンカラに軍配。人口の多さではルアー。フライはドライフライによる水面の釣りの楽しさと夜な夜な毛鉤を巻く楽しみがいい。
まぁ、迷うんだったら、それぞれ一度やってみればいいんじゃね?(ぉぃ)
ちなみに僕は、3種類の釣り方に加えて餌釣りも経験していますが、餌釣りはまぁ釣れるし「楽しみ」という点では物足りないので止め、「ライズハント」という蜜の味を知ってしまったので、トラウトフィッシングにおいてルアーを使うことはなくなりました。9割以上フライフィッシング、たまにテンカラですかね。