さて、フライフィッシングで、どの釣りをしますか?
…………って言われても、いきなりじゃ困りますよね(^^;;;
とりあえず、管理釣り場で入門用としては、
の3種類の釣りを提案させていただこうと思います。(ストリーマーの釣りは「遠投ができる」ことが前提なので、入門用としては割愛します。)
それぞれ釣り方に特徴があって、それぞれの面白さがありますので、まずは全部一度はやってみるのが良いかと思います。
しかし、それぞれの釣りでリグ(仕掛け)が微妙に違うので、本気を出すとリギング(仕掛け作り)に時間がかかってしまいます。そこで、ここではリグの変更をなるべくしなくても良いように、8フィート#4のロッドを使っている前提で、5X 7.5フィートのノットレスリーダーをフライラインに接続している状態から、ドライフライ、ニンフフライ、ウェットフライの釣りの3種類の釣りに、最小限の変更で対応できるように解説したいと思います。
大雑把に言って……
ドライフライ
ニンフフライ
ウェットフライ
という感じです。
タイプ別おすすめをなんとなく
ちなみに、ボクは管理釣り場ならば、
という順番でやることが多いです。
ま、ウェットフライはすっ飛ばしてニンフフライの釣りをすることもありますね。ポンドタイプの管理釣り場ではウェットフライの釣りはあんまやらないかな。
どの釣り方も基本的に、
という動作の繰り返しです。フライが着水した直後に魚が出る場合も多いので、1.のキャスティングから2.ロッドハンドの人差し指でラインを抑える動作をスムーズにできるように練習しましょう。
ドライフライの釣りは、なんと言っても水面を割って魚が飛び出すという最高にテンションが上がる釣りです。
前述したとおり、8フィート #4のロッドを前提にした、管理釣り場で釣る初心者向けのシステムを挙げます。
7.5フィート 5X テーパードリーダー(ナイロン) - 1フィート 6Xティペット(ナイロン)
まぁ、最初はこれでやってみましょう。
結ぶフライはもちろんドライフライです。
最初は、
あたりを使うと良いかと。フライのサイズは#14~#16あたりで始めましょう。ちょっと大きめかもしれませんが、まずは見やすい大きさで始めるのが良いと思います。
はい、それだけです(ぉぃ
ポイントは、ドライフライを自然流すことです。
自然に流す方法というのが、ある意味ドライフライの釣りの本質です。
実際「ドライフライを自然に流す」がだけがテーマの本が無数に出ています。
しかし、そのような本を読んでみると、
ものすごく大道芸的な技術を要求したり、
ものすごく練習しないとできないような超絶テクニックだったり
おおよそ初めての人が最初からできるような内容ではないものが大半です。
そこで、ここではひとつだけ。
流れに向かってラインが平行になるように、上流に投げましょう。
釣り用語でいうと、アップ、またはアップクロスに投げましょう。
そうすると、比較的長い距離、ドラグがかからずに流すことができます。
先程も書きましたが、ドラグの回避方法はアップまたはアップクロスに投げること以外にもいろいろな方法があります。^ とはいえ、大道芸的な難しいテクニックだったりするので、まずはこの方法をやってみてください。
というわけで、参考まで、またまたフライショップ ハーミットのオーナー
稲見さんのドライフライの釣り方解説の動画を貼っておきます。
ニンフフライの釣りは、水生昆虫の幼虫(ニンフ)を模したニンフフライを底に流して釣る方法です。
水生昆虫の幼虫は大体一年中いますので、トラウトたちの常食になっています。
そういうわけで、ニンフフライの釣りは、ある意味万能です。
ただ、底の釣りなのでドライフライのように捕食の瞬間を見ることは難しいので、楽しみという点では劣るかもしれません。
今回は数あるニンフフライの釣り方の中から、一番簡単なインディケーターの釣りを紹介します。 システムは上記のドライフライで使ったのと同じ5X 7.5フィートのノットレスリーダーでリグを作ります。
7.5フィート 5X テーパードリーダー(ナイロン) - 0.5フィート(約15cm) 5Xティペット(ナイロン)
ドライフライと切り替えるために、ちょっと太くて短い短めなティペットをつけるだけでOKです。
そして、シンカーとインディケーターを付けます。
シンカーはスプリットショット、いわゆるガン玉を使います。付けるガン玉の重さは、深さ、流れの早さ、インディケーターとのバランスなどで調整しますが、まぁ4番のガン玉を1つとけとけばいいかな。重くしたい場合はガン玉を追加しましょう。ガン玉を付ける場所ですが、リーダーとティペットの結び目のすぐ上(リーダー側)につけるといいと思います。他の解説サイトや入門書にはティペットのフライから10cmの場所、と書かれていることが多いですが、結び目の上とすることで、少なくとも下にガン玉がズレることはなくなります。ティペットにつけてガン玉が下にズレてフライとくっついてしまうと、フライが魅力的に動かなくなるのかガクッと釣果が落ちる(気がします)。シンカーが何かに引っかかってしまったときの被害はティペットにシンカーをつけた方が少ない(事もある)ので一概にティペットにシンカーをつけるのがダメってことも無いですが。
もう一つ、インディケーターを付ける場所ですが、これも水深や流れの早さで調整が必要です。まぁ最初はフライから1mぐらいの場所につけるといいかと思います。あ、浮きゴムで取り付けるタイプのインディケーターを使う場合は、ティペットを付ける前に通しましょう。リーダーとティペットの結び目を通せないことも無いですが、引っかかって浮きゴムを破損することもあるので。
フライはもちろんニンフフライを付けます。とりあえず、
あたりが定番ですか。
最終手段としては、グローバグ/エッグフライと呼ばれる派手な色の毛玉みたいなフライをつけるのもアリです。こんなもので?と思われるかもしれませんが、野生のヤマメ、イワナでもよく釣れるフライです。釣れすぎるためか、グローバグ/エッグフライを禁止している管理釣り場もあるぐらいです。
あと、ニンフフライの釣りは底を釣る釣りです。必然的に根掛かりが多くなり(魚は根掛かりするような所にいるものです(^^;)フライの消耗も多くなります。予備のフライは多く用意しましょう。
ヘアーズイヤーニンフ
グローバグ/エッグ
まぁ、文章にするとそれだけですね(^^;)
「インディケーターが沈んだら」ではなく「インディケーターが不自然な動きをしたら」と書いたのは、魚のアタリは必ずしも沈む方向に出るとは限らないからです。
これらすべてアタリの可能性があります。
……といきなりこれらをすべてアタリと疑い始めるときりが無いので、最初は沈むのをメインで見たいけば良いかと思います。
こじらせたベテランが「ウキ釣り」と言って揶揄するこの釣りも、インディケーターの動き一つとってもかなり奥が深いんです。
ドライフライもニンフフライも、基本的には水の流れに対して自然に流して魚に食わせる釣りでした。
しかし、ウェットフライは自然に流す他に、誘うという動作を入れることも重要になってきます。
それが面白いつりで、誘った瞬間に魚が食いついたりしたらもうたまりません。
なぜか日本の渓流ではあまりやってる人がいないのですが、ドライフライに食ってこないライズがウェットフライだとあっさり食ってきたりすることもあるので、覚えておいて損は無いです。
ウェットフライの釣りの場合、魚は強烈な向こう合わせでかかってくることが多いです。ですので、太めなティペットを使います。
7.5フィート 5X テーパードリーダー(ナイロン) - 1フィート(約30cm) 5Xティペット(ナイロン)
これに、ウェットフライをつけます。
ウェットフライは、ティペットにドロッパーと呼ばれる枝ティペットをつけて、複数のフライをつけることがあります。が、複数のフライをつけたシステムをキャスティングするのは、それなりに経験が必要なので、最初はドロッパーなしのシステムで行きましょう。
ウェットフライは歴史も長く、非常にたくさんの種類のフライがありますが、とりあえず、
あたりを用意すればいいかなと。サイズは#10~#14ぐらいかな。ボクはとりあえずなら#10を使います。
ドロッパーをつけなければ、ティペットの太さ以外はドライフライのシステムとほとんど変わりませんね。
ウェットフライの例として、拙作のオレンジ&パートリッジの写真を載せておきます。
ウェットフライの釣り方は、前述の2つの釣り方とちょっと違います。
基本的にウェットフライはテンションを保った状態で使います。
ですね。
程々にラインを張るのがポイントで、張ることでフライが踊ります(スイングと表現することもありますね)。この踊った瞬間に食ってくることが多いです。なので、チョンチョンと引っ張ったり、チョン・・・チョン・・・という感じに間を空けたり、あるいは踊らせずにそのまま流したりなど、いろいろな誘い方ができます。ええ、テンカラの釣り方と似ていますね。
すでに何回も書いてしまっていますが、魚釣りで大事なこと、「合わせ」について書いておきます。
釣りで言う「合わせ」は釣り針が魚の口の中に入った時に糸を引いて釣り針を口にかける動作のことを言います。カタカナで言うとフッキングです。また、勝手にフッキングしてくれることを「向こう合わせ」といいますが、フライフィッシングでこの向こう合わせになることがあるのはウェットフライでの釣りで、ドライフライやニンフでの釣りは基本的には合わせが必要です。
どんな釣りでも「合わせ」が大事。でも、難しいのが合わせ。この「釣り針が魚の口の中に入った時」に合わせるというのが難しいのです。
ドライフライは魚が水面に出てフライを加えるのでそのタイミングでロッドを素早く立てます。はじめてならば、思いっきり立てていいです。初めてだと大体の人は合わせが遅れると思いますので、躊躇すると遅すぎて魚がかかりません。ただ、力を入れすぎると引っ張りすぎて糸が切れてしまいます。切れるようならば力を加減してください。
インディケーターニンフィングではインディケーターがあるので比較的わかりやすいです。
ドライフライと同様に合わせはロッドを立てて行います。リーダーシステムが複雑なので勢いよく立ててからまないように気を付けましょう。
ウェットフライでの釣りは向こう合わせでかかってくることが多いです。それでも魚の感覚があったらロッドを立てるのが良いと思います。かかった後に確実にフッキングさせるために「追い合わせ」になります。
3種類の釣り方を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
どの釣りたが良いかというのを始める前に選ぶのではなく、実際に3種類の釣り方をやってみるのが良いと思います。
そういう意味で、簡単に切り替えられるようなで紹介しました。
次は、釣れた後の取り込み方を書こうと思います。
意外にこれをちゃんと説明している入門書って少なかったりするのでじっくり説明します。
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